車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.05 / 掲載日:2018.02.22
【気になる中古車試乗判定】アウディ A4 アバント
2016年モデル アウディ A4 アバント
一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?
文●竹岡圭、九島辰也、グーワールド
写真●グーワールド
今月の中古車は アウディ A4 アバント
DETAIL CHECK 1
デジタル技術の積極採用で運転支援装備が充実
デジタル技術の積極採用で運転支援装備が充実
運転支援装備の進化がこの世代のトピック。「トラフィックジャムアシスト」は0kmから65km走行時に、車線や周囲の建物、車両を感知してステアリング操作を含め車両を導く。また、オプションとしてメーター全面が液晶画面となる「バーチャルコックピット」も用意。デジタル世代へと進化した。
DETAIL CHECK 2
シンプルで上質な室内 リヤシートは3分割タイプ
シンプルで上質な室内 リヤシートは3分割タイプ
いい意味でオーソドックスなデザインを採用しているアウディのインテリア。シンプルなデザインで仕立てがいいため、長期間使っても飽きがこない。写真のファブリックに加えて、オプションとしてレザー、さらに上質なファインナッパレザーも選択可能。リヤシートは4対2対4の分割可倒式。
DETAIL CHECK 3
スキーなどのレジャーにも活躍するラゲッジルーム
スキーなどのレジャーにも活躍するラゲッジルーム
流麗なルーフラインでありながらも、ワゴンに期待される使い勝手を両立。荷室の形状はスクエアで使いやすく、上質な素材でトリムされている。容量は505Lで後席をたたむと最大で1510Lとなる。また、後席は中央部分のみを倒すことで、スキーなどの長尺物も車内に格納する。
DETAIL CHECK 4
2種類の2L直4ターボに加え経済的な1.4L直4ターボを用意
2種類の2L直4ターボに加え経済的な1.4L直4ターボを用意
エンジンは、導入当初が2L直4ターボで、前輪駆動モデルが190馬力、4WDのクワトロが252馬力。2016年10月に1.4L直4ターボが追加。こちらは150馬力というスペック。いずれもトランスミッションは7段変速のSトロニック。先代モデルから改良され、高い燃焼効率を誇る。
クールなテイストの都会派ステーションワゴン
九島 オシャレで機能は充実だし走らせてもしっかりしてるよ
竹岡 優等生なんだけど真面目なだけじゃないのが魅力
デジタル世代へと進化し先進安全装備も採用
編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、アウディのなかでも高い人気を誇るプレミアムステーションワゴンのA4アバントが登場です。お借りした車両は2016年モデルで、グレードは「2.0TFSI」、走行距離は1万9000kmとなっています。
九島●アウディは昔からステーションワゴンが似合うんだ。そうそう、僕はアウディ80を3台乗ってたよ。
竹岡●80が現役だった80年代って、まだアウディはそんなに知られてないメーカーだったんじゃない?
九島●当時住んでいた自由が丘はオシャレな街でさ、ちょうど時代は第2次サーフィンブームで、クルマ好きはFFファミリアとかシティとか、王道からちょっと外したクルマ選びをして楽しんでたのね。で、輸入車はVWやBMWが人気だったから、アウディにしたんだ。80ではよくサーフィンに通ったね。
竹岡●さすがオシャレさん。私にとってのアウディは、初代TTのイメージが強いな。真面目なだけじゃなくて、こんなデザインのいいクルマを出すんだって、すごく印象的だった。優等生なんだけど、真面目なだけじゃないっていうアウディのキャラクターは、ある意味理想の結婚相手(笑)。
編集部●アウディ80は今日試乗して頂くA4に繋がる系譜ですね。初代80は1966年にパサートの兄弟車として開発され、その後1994年にA4が登場するまで活躍しました。車格的にはメルセデスのCクラスやBMWの3シリーズと同等で、本日用意したA4は2016年にフルモデルチェンジした5代目です。
九島●先代モデルはスタイルから走りまで、従来から一気にレベルアップしたから印象的だったんだけど、現行型はちょっとおとなしいかな。
竹岡●プラットフォームが「MLBEVO」に変わって、ADAS(先進運転支援システム)系の装備が導入されたんだよね。
編集部●おっしゃるとおりです。予防安全システム「アウディプレセンス」ですね。それから、自動運転技術を活用した「トラフィックジャムアシスト」も追加されまして、これは渋滞時にペダルに加えてステアリングまで操作し運転をサポートします。また、メーターがフルデジタル表示の「バーチャルコックピット」も話題になりました。
九島●結構変わってるな(笑)。
編集部●2016年2月にセダンが登場し、同年4月にワゴンであるアバントが発売されました。パワートレーンは全モデル4気筒直噴ターボ+7速Sトロニックで、FFモデルが190馬力、4WDであるクワトロが252馬力。さらに10月には、1.4L(150馬力)も追加されました。こちらは全車前輪駆動です。
竹岡●いつの間にかこのクラスも小排気量エンジンが当たり前になっちゃったね。モデルチェンジした当初は、車格に適正な排気量っていう意味で「ライトサイジング」だって提唱していたけど。
九島●そこは500万円を切るスタートプライスを用意したいっていう販売戦略もあるんだろうね。
編集部●それではそろそろ、試乗をお願いします。
編集部●さて、試乗から戻ってきたお二人に感想を伺いましょう。いかがでしたか?
九島●現行型は進化のポイントが先進安全装備だから、走りについては特別にコレが凄いという感じではないんだけど、いいクルマでしたよ。
竹岡●クルマとしては正常進化だもんね。ちょっとタイヤの状態が気になったけど、それ以外はすっきりした乗り味でよかった。
九島●これで中古車価格はいくらくらいなの?
編集部●A4アバントのFFモデルで初度登録から1年半、走行1万kmといった条件の物件が300万円後半からですから、ライバルに比べると、比較的高価格ですね。ちなみにセダンだと全体的に30万円くらい安くなります。
竹岡●アウディは都会的なブランドだし、なおかつワゴンボディのアバントはライフスタイルをイメージしやすい。そのあたりも人気の秘密なんだろうね。キャラクター的にもソツがないから、長く付き合っても飽きにくいんじゃないかな。流行のグランピングなんかにもぴったり。
九島●アバントの使い勝手のよさとクワトロの走破性があればSUVは必要ないし、全高が低いからタワーマンションでも大丈夫。まさに、素敵なアーバンライフだよ。
竹岡●確かに。私もクワトロがオススメかな。エンジンもハイパワー版が搭載されるし、安定感のある走りはクワトロならではの魅力。
九島●FFはFFでいいんだけど、せっかくアウディに乗るなら、ちょっと頑張ってクワトロを探すのがいいんじゃないかな。
編集部●ありがとうございました。
※ナンバープレートはハメ込み合成です。
人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるアウディ A4 アバントの評価をまとめます。
※各項目に対して10点満点評価。
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント
「トレンディドラマの主人公みたいなクルマ」というのが竹岡さんのアウディ評。「真面目だけど、真面目なだけじゃないっていうのがイイオトコ」だそうです(笑)。
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
ポジショニング 9点
東京都で現在人口増加率ナンバー1なのは江東区なのですが、その江東区の豊洲地区では、アウディがメチャクチャ人気が高いんだそうです。タワーマンションも多いし、都内で駐車するには全高が低めな方が利便性が高いこともあり、その中でもA4アバントはかなりピッタリな選択になるんでしょうね。オシャレで賢く見えるという納得の選択です。
装備 8点
インテリア等々は、アウディっぽくカッコイイ!という感じでしょうか。品のよさと質のよさは感じますが、インターフェイスは正直言って使いにくいと思います。また、最近は安全装備や運転支援装備などが続々と追加されてくるので、そこにこだわりのある方は、ねらったクルマに何が装備されているのか、しっかりとチェックすることをお忘れなく。
走り 8点
個体によるものだったのかもしれませんが、乗り心地が少々バタバタしていてあまりアウディっぽさが感じられなかったのが気になりました。でも基本的には、いい意味でFFゆえの軽さがあるので、日常+αではパワー的にも十分。サイズ的にも使いやすいですね。でもやはりこだわってアウディを購入するならば、クワトロモデルが個人的にはオススメ。
自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント
かつてアウディ80でサーフィンを楽しんでいたという九島さん。オシャレ上級者に人気があるというアウディの状況は、昔もいまも変わらないのかもしれません。
自動車ジャーナリスト 九島辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。
ポジショニング 9点
いいものを探していて、なおかつありきたりでは満足できないというユーザーたちが選んでいるのがアウディ。もちろん、プレミアムブランドとしての歴史も長く、技術的にもクワトロといった個性があり、間違いのない選択肢だ。とくに試乗したA4アバントは、乗り手の豊かなライフスタイルをイメージさせるという意味でもポイントが高い。
装備 8点
ひさしぶりに乗ったA4は運転席がちょっとタイトに感じられた。最近のクルマがどれも大型化傾向にあることも影響しているが、A6、A8とはそこが異なる。自動ブレーキを筆頭に、カメラで白線を認識して車線を維持するようサポートしてくれるなど、運転支援装備が充実したのがこの世代の特徴。安全性が飛躍的に高まっているのは間違いない。
走り 8点
2L直4ターボのエンジンは出だしから元気があってパワフル。1.4Lターボでも問題なく走るが、この力を知ってしまうと2Lターボを選びたくなる。さらにオススメなのがアウディ独自の四輪駆動を採用したクワトロだ。こいつは速いだけでなく、天候や路面状況を選ばない。これにアバントのユーティリティが加われば、まさに万能マシンというわけだ。
グーワールド編集部
国産では非常に少なくなったワゴンですが、アウディでは昔から人気モデルとあって中古車でも物件が豊富。予算と好みに合うモデルと出会える可能性大!
ポジショニング 10点
装備 9点
試乗車両はデビュー当時のスタンダードグレードである2.0TFSIでしたが、それでも必要な装備どころか、タッチ操作に対応するコントロールシステムを備えたナビや運転支援装備(車線維持機能付きクルーズコントロール、自動ブレーキ)まで盛りだくさん。1.4Lモデルではオプションとなっている装備も多いので、中古車を探す際は装備も確認しましょう。
走り 8点
BMWの爽快感のある走りとも、メルセデスのしなやかさとも異なる、スムーズでクールな走りがアウディA4のキャラクター。パフォーマンスとあらゆるシーンへの適応力を求めるなら2Lターボのクワトロで決まり。前輪駆動モデルは1.4Lでも必要にして十分な速さを備えているものの、現行世代の特徴である運転支援装備が標準となる2Lがオススメ。
すべてが水準以上のオールラウンダー クワトロならさらに魅力が高まる
モデル主要変遷(アウディA4、A4アバント)
2016.02 | フルモデルチェンジ(セダン) |
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2016.04 | フルモデルチェンジ(アバント) ←今回の中古車 |
2016.05 | 一部改良(セダン、アバント) |
2016.10 | 「1.4TFSI」、「1.4TFSIスポーツ」を追加(セダン、アバント) |
2017.11 | 「2.0TFSIスポーツ」、「2.0TFSIクワトロスポーツ」を追加(セダン、アバント) |
2016年 アウディ A4アバント 2.0TFSI(7速AT・Sトロニック)
全長×全幅×全高 | 4735×1840×1455mm |
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ホイールベース | 2825mm |
車両重量 | 1580kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1984cc |
最高出力 | 190ps/4200-6000rpm |
最大トルク | 32.6kg m/1450-4200rpm |
サスペンション前後 | ウィッシュボーン |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
中古車参考価格帯
320万円~570万円(2016年~2017年 ※全グレード)
※ナンバープレートはハメ込み合成です。